1 ショットガン・トラップ

ベルギー在住:ルイス・デシー(79)は、妻との間に娘10人、息子4人、計14人の子供と暮らす大家族だった。

3階建ての屋敷で暮らすルイスは、趣味に興じながら老後はのんびり年金生活を送ることを夢見ていたのだが、
どこかで歯車が狂ってしまったのか、離婚するハメになり、妻のみならず、14人の子供たちも彼の元を去って行ったのである。

…いや、この表現は正しくない。

何故なら、ルイスが住んでいる屋敷の所有者は彼の母親だったのだが、遺言により屋敷は孫のジャンヌに遺贈されていたのである。

家族だけでなく、住居までも失う運命にさらされたルイスは、その絶望と混乱に追い詰められ、
怒りの矛先を次に屋敷に住む者たちへ向け、地獄を味わせようと家の至る所にショットガンを取り付けたのである。

屋根裏部屋や居間のTV、貯水タンクなどに仕掛けられたショットガンは、「あるきっかけ」により罠が発動して発砲するという仕組みだった。

しかもご丁寧に、罠ごとに「発動するきっかけ」を変えて設定していたため、ルイス本人も憶えきれなかったため、
罠発動の「きっかけ」を一つ一つ細かくメモを取っていたのだが、ウッカリ自分で罠の一つを作動させてしまい、自らが設置したショットガンに撃たれて死亡したのである…。

ルイスのメモによれば設置した罠は合計20個らしいのだが、後に警察が屋敷を捜索した結果、19個しか確認できなかったそうだ。

本当にあと1個罠が残っているのか否か、また、残された最後の罠が発動することがあるのかどうか、それは神のみぞ知るところだ。

 

2 ゴミの迷宮

1900年代前半、ラングレー・コリアーと兄のホーマーが住む一軒家がニューヨークの五番街にあった。

何の変哲もない兄弟で、近所付き合いも普通に行っていたのだが、ある時、兄:ホーマーは失明したため引籠りとなり、一歩も外へ出なくなった。

そして、弟:ラングレーは兄の世話に専念し、徐々に外部との接触を絶つようになり、弟の方も滅多に外出しなくなったのである。

時々外出したかと思えば、日没後こっそりしかしないため、近隣住民も「気味悪い兄弟だ」と噂するようになっていった。

そんな近隣住民に対抗するが如く、ラングレーは家の中にダンボールや家具、本、生活ゴミなどをうず高く積み上げて「迷路」を作り上げ、
部外者を簡単に中に入れないように、家の中を「迷宮」にしたのである。

しかも、通路の所々にワイヤーを張り、引っかかった瞬間、頭上から重量感のある「ゴミ」が落ちてくるという罠まで設置したのである。

1947年、いくら引籠りの兄弟だからと言っても、生活感が全くなくなっていたのを不審に思った近隣住民の誰かが、匿名で警察へ通報した。

凄まじい悪臭が漂うコリアー兄弟の家を探索した警察は、兄:ホーマーの死体を発見し、検死を行ったところ心臓発作と判明。

しかし、弟:ラングレーの姿が見当たらない。

その後、数十トンに及ぶゴミを一週間以上かけて撤去したところ、自分の仕掛けた罠にかかって、
落下してきたゴミの下敷きになっていたラングレーの死体が発見されたのである。


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3 傾いた絵画

この度、紹介するケースは、先程の2つとは異なり特定の家ではないのだが、非常に巧妙な罠が仕掛けられた建物の例である。

第二次世界対戦中、ドイツ軍は物資が不足し敗色濃厚となり、戦場から撤退していったのだが、タダでは撤退しなかった。

各市街地に点在していた損傷の少ない大きめの建物、即ち敵軍が本部を置く可能性が高い建物に、「傾いた絵画」の罠を片っ端から仕掛けたのである。

その罠の仕組みとしては、部屋の壁に窪みを作ってその中に爆弾を設置し、そこに絵を「傾けて」掛けて隠し、
絵を真っ直ぐに直した瞬間にドカン!となるといったものだ。

少々回りくどい罠のようだが、この罠のターゲットは、絵が傾いているのに気づかないような卑しい輩ではなく、
壁に掛けられた絵が傾いているのを気にするような地位の高い者、即ち現場の指揮を執るような人物を狙い撃ちにする目的があったのである。

 

4 罠の要塞

ナイジェル・コックバーンは、イングランドのメードストンに3軒のコテージを所有していたが、
14年間で20回も空き巣の被害に遭っていたため、真剣に悩んでいた。

何度警察に相談しても空き巣が後を絶たなかったため、「自分の財産は自分で守る」と決意したナイジェルは、
防犯カメラ設置を皮切りに、クマ捕獲用の罠や銃、部屋の中の物に触れた途端強力な電磁波を照射する「人間電子レンジ部屋」など、
侵入者を確実に撃退するべく家の中に罠を設置しまくったのである。

2006年7月10日、「罠の要塞」と呼ぶにふさわしい建物と化していたナイジェルの家で火災が発生したため、
消防隊員が駆けつけたのだが、罠のため愕然とし、なかなか手が出せなかったらしい。

ナイジェルは、「クマ捕獲用の罠に誤って自分がかかって足が血塗れになったのも今は良い思い出だ」と呑気な事を言っていたのだが、
後に、弾薬の不法所持や傷害などの罪によって起訴されることとなったのである…。


5 完全犯罪の家

イングランドのバーミンガム在住のキッチンプランナー:イアン・プライスは、
多額の負債を抱えていただけでなく、自身の不倫が原因で離婚の危機に直面していた。

そんなイアンは、自らの職種を活かした最悪の打開策を思いつく。

それは、通常は壁紙を剥がすのに使われる「ヒートガン」に時限装置を接続し、設定した時刻になると家を丸焦げにする装置を家に取り付け、
妻が気づかないうちに火災が発生し、家もろとも妻を殺害するという完全犯罪計画である。

イアンは妻にバレずに装置を取り付ける事に成功し、妻を一人家に残して外出。

そして、不倫相手とイイ感じになっている真っ最中に家が全焼、とトントン拍子に計画が流れていったのであるが…。

自分の家が燃えていることに気づいたイアンの妻は、当然の如く急いで脱出したために全くの無傷だったのである。

火災保険と生命保険の一挙両得を目論んだイアンの完全犯罪計画はアッサリと失敗しただけでなく、
火事場の捜査から計画はバレ、イアンを待ち受けていたのは刑事裁判だけだったのである。


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