トランスヒューマニズムという考え方がある。

再生医療などの技術で人間の寿命を延ばしたり、
脳に機械を入れて、能力の向上を計ったり、
ロボット技術による人間の身体能力を上げたり、
人工子宮の開発であったり、といったことが、
トランスヒューマニズムであると言われている。

 

つまり、人間の能力を、最新のテクノロジーを使い、
向上させる考え方のことである。

こういった考え方や研究をする人を、トランスヒューマニストという。

トランスヒューマニストたちが、今、注目しているのが「睡眠」だ。

 

睡眠時間が短くてもOK?

トランスヒューマニストにとって、
人間の睡眠時間は長すぎるようだ。

80年生きるとすれば、
平均睡眠時間8時間として、27年分は寝ている時間なのだ。

 

もっと睡眠時間が少なくて済めば、
起きている時間が増え、もっとなにかできるはずなのである。

しかし、無理をして睡眠時間を削ることは推奨されない。

なぜなら睡眠中、
人間の脳は活動しており、大事なことをしているのだ。

 

たとえば、睡眠中だけ脳の老廃物が処理されるし、記憶の整理などをしている。

このような大事な睡眠時間を、おろそかにはできないだろう。

では、睡眠時間を削るにはどうすればいいのか。

睡眠の質を高めれば、寝ている時間が短くても
いいのではないかと考えたのである。

 

トランスヒューマニストからすれば、
一日の睡眠時間8時間は長すぎなのである。

睡眠時間を削る方法は、3つ提示されている。

ライフハック・薬物の使用・機械である。

 

睡眠の質を高める機械

SFの世界の話しではなく、
すでに、睡眠の質を高めたり、ぐっすりと寝たときのように
疲れがとれる機器というのが登場している。

ゴーグルやLEDライトを使用して、
脳波を調整する機器の作成方法が公開されている。

 

レム睡眠へ誘う医療機器というのがある。

ヘッドセットの機器となっている。

このヘッドセットが、
こめかみに弱電流を流し刺激し、レム睡眠へ誘導するのだ。

 

不眠症の治療に使われている。

アメリカの軍隊では、
入眠導入機器が使用されている。

眠りに誘導し、快適な目覚めをもたらすことができる機器であるようだ。

 

ヘッドホンのような形の機器もクラウドファンディングで登場している。

技術力が上がっていき、今後は、もっと
こうした睡眠の質を高める機器が、登場してくるだろう。


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薬物の使用

睡眠時間を削るために、
薬物を使うというのは、あまりいいイメージがない。

第二次世界大戦の時に、
実際に、アンフェタミンやメタンフェタミン
といった薬物が使用された。

 

疲れの回復のためや、士気を上げるためであったという。

これらの薬物は、使用すると副作用があったりして、
継続使用に耐えるものではないだろう。

トランスヒューマニストは、これらの薬物の使用は考えておらす、
向知性薬ヌートロピックの使用を、検討している。

 

ヌートロピックは、別名スマートドラッグともいう。

認知機能向上薬である。
ほとんど日本国内では製造されていない。

そのため日本で入手しようと思えば、個人輸入となるだろう。

ヌートロピックには、合法のものと違法のものがある。

 

合法のもののほうが多い。

このヌートロピックの中でも、
モダフィニルとアドラフィニルが有用であると考えられているようだ。

依存性や禁断症状といった副作用はないといわれている。

効果は、覚醒作用である。

 

眠たさが消えて、意識がはっきりとしてくるとのことである。

日本国内では、モダフィニルに関しては、
閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者およびナルコレプシー患者への処方が、認められている。

「モディオダール」という
商品名となっており、第一種向精神薬である。

そのため日本国内では、
モダフィニルを、誰もが自由に買えるというわけではない。

 

米国では、モダフィニルの使用に関して、
是非が問われており、様々な議論があるようだ。

危険ドラッグと呼ばれるものは、世界で規制される方向だ。

しかし、大麻の解禁といった流れもある。

 

ヌートロピックの使用に関しては、先行きは不明である。

覚醒剤とは違う形で、
こうした薬物が注目されているのは、興味深い出来事であろう。


ライフハック

機械や薬物を用いるなどの方法は、
なんらかのリスクが伴うが、
ライフハックは、ちょっとした工夫をするだけだ。

 

「多相睡眠」というライフハックが、有用であるらしい。

「多相睡眠」とは、
一日のうちに、何回も、短い睡眠をとるという方法だ。

『「週4時間」だけ働く。』の著者
モシー・フェリス氏が、実際に、この多相睡眠を行っている。

 

質のいい短い睡眠時間を、繰り返しとっていくことで、
通常よりも、一日の睡眠時間を短縮できるので、
トランスヒューマニストに注目されている。

この多相睡眠のなかでも、ウーベルマン(スーパーマン)
という睡眠モデルは、驚異的な睡眠時間の短縮を、実現する。

 

4時間ごとに20分間睡眠をとるという方法だ。
一日の睡眠時間を合計すると2時間という短さだ。

睡眠の質を高める機器を用いたりすることで、
この多相睡眠は、より実現しやすくなるだろう。

 

一日8時間も寝なくても、健康を損なうことがなくなれば、
こうして捻出された時間をどのように使うかを、
考えてみるのも楽しいかもしれない。


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