ドイツでは、政治状況に大きな変化があった。
これまでのメルケル首相の政党が議席を減らし、右派政党AfDが議席を大幅に増やしたのだ。

右派政党AfDは、難民受け入れに反対している政党である。
ニュースでも、度々話題になっていたヨーロッパでの難民問題。

ドイツでも、難民による犯罪などがニュースとなることが増え、人々の不満が、今回の投票行動に反映されるほどになったのだ。
ドイツなど先進国とされるところでは、人種差別は良くないことだとされている。

それでも、今回のドイツの政治状況の変化が起きることから分かるように、人は、いつの間にか、「差別」してしまう習性があるのかもという疑惑が出てくる。
たとえ、人間に「差別」をしてしまう習性があるのだとしても、対処し改善する方法がある。

 

日常の行動に差別意識が潜んでいないかどうか。

誰もが分かるような態度で差別を堂々とする人は少ないだろう。
しかし、自分は、差別など、絶対にしていないと言い切れる人はいるものだろうか。

私たちは、もしかしたら、日常の行動の中で、潜在的に差別的な行動をしているかもしれないのだ。

 

自分では把握しきれない潜在的な心理を探るテストというものがある。

「潜在的連合テスト(IAT)」だ。

このテストは、社会的な対象に対して深層心理では、どのように考えているのかを探りだそうとするものだ。
社会的な対象とは、たとえば、白人と黒人といったことだ。

白人と黒人という対となる対象に対する好みといったことを調査することで、被験者が、社会的対象に対して、どのような態度をとるかということが分かるそうだ。

「潜在的連合テスト(IAT)」は、どのようなものなのだろうか。
まず、単語や画像などが表示される。そして、二つの概念のどちらになるかを選択していくというテストだ。

たとえば、「悲しい」という単語が表示され、それを「良い」か「悪い」の、どちらかに分類する。
単語や画像は、次々と表示されていくため、どちらの分類になるのかを、素早く判断していかなければならない。

このテストは、ネット上で受けることができる。

単語や画像を素早く分類していくことで、自分が潜在意識上で、社会的対象に対して、どのようなフィルターを通して見ているのかということが分かってくる。
私たちの日々の行動には、この潜在意識上のフィルターのようなものが反映されていると考えていいだろう。

では、「潜在的連合テスト(IAT)」によって、自分が望んでいない結果が出てしまったらどうすればいいのだろうか。
このままにしてはいけないという自分への恐怖が大きくなってくるかもしれない。


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こうしたことに対処するための方法というのもある。
それが、「慈悲の瞑想」だ。

潜在的に持っている偏見を克服していくためには。

「慈悲の瞑想」は仏教の瞑想法である。
仏教では「慈悲」は、大事な概念だ。

慈悲を向ける対象は人間だけではない。

生物の全ても慈悲の対象であるし、自分自身も他人にも慈悲を向けるのだ。
自分と他人、そしてあらゆる生物。この3つの存在を心に思い浮かべつつ瞑想をする。

「慈悲の瞑想」は、研究の結果、実際に効果があったことが実証されている。
大学で白人の男性女性に対しての調査が行われた。

先ほどの、「潜在的連合テスト(IAT)」を被験者には「分類における心象の影響調査」という名目で行った。
そして、テストが終わったグループを二つに分け、「慈悲の瞑想」をするグループとしないグループを作った。

 

もう一度、「潜在的連合テスト(IAT)」を行ったところ、「慈悲の瞑想」をしたグループには、明らかに人種偏見の減少があった。

この調査の結果を受けて、論文を書いた内の一人は、他人に対する慈悲の心は偏見を減らせる可能性があるといえるだろうと述べた。
慈悲は、自分の生活しているなかで主に関わる人々や自分に恩恵をもたらす。それ以外の人々にも効果は少なからずあるだろう。

まだ調査は不十分だろう。
今後、もっと研究を続けることにより「慈悲の瞑想」の効果は、はっきりとしてくるのではないだろうか。

差別や偏見を、すべての人が持たないようにするのは、現実的には難しいだろう。
潜在的な偏見を、自分が気づかずに持っていることもあるのだ。

 

潜在意識で、自分がどのように思っているのかが分かれば、対処できるしコントロールもできる。

現代社会では、自分の周辺のことだけでなく、遠く離れた出来事のこともテレビやインターネットで触れることができる。
多くの情報が簡単に手に入るのは便利なことであるが、そこから、いい影響も悪い影響も受けることからは逃れられない。

このようなことが、ドイツの政治状況に大きな変化をもたらすまでになっているのだ。

ここまで見ていただいた「慈悲の瞑想」で用いられる言葉を引用しよう。

十分にくつろいだ状態になって、この「慈悲の瞑想」の言葉を唱えてみて、自分の心に変化が現れるか試してみてはいかがだろうか。

 

「慈悲の瞑想」の言葉(引用元:日本テーラワーダ仏教協会ホームページ http://www.j-theravada.net/index.html)

私は幸せでありますように
私の悩み苦しみがなくなりますように
私の願いごとが叶えられますように
私に悟りの光が現れますように
私は幸せでありますように(3回)

私の親しい人々が幸せでありますように
私の親しい人々の悩み苦しみがなくなりますように
私の親しい人々の願いごとが叶えられますように
私の親しい人々にも悟りの光が現れますように
私の親しい人々が幸せでありますように(3回)

生きとし生けるものが幸せでありますように
生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように
生きとし生けるものにも悟りの光が現れますように
生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)

私の嫌いな人々も幸せでありますように
私の嫌いな人々の悩み苦しみがなくなりますように
私の嫌いな人々の願いごとが叶えられますように
私の嫌いな人々にも悟りの光が現れますように

私を嫌っている人々も幸せでありますように
私を嫌っている人々の悩み苦しみがなくなりますように
私を嫌っている人々の願いごとが叶えられますように
私を嫌っている人々にも悟りの光が現れますように

生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)


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