人間は、なにか物事を決めるときに、なぜか、明確な根拠はないのだが、「これだ!」と確信を持って感じることがある。
これを直観と言ったり、第6感と言ったりすることがある。

人間の持つ、不思議な能力の一つと言えるだろう。
この「直観」を測定することに成功した研究者たちがいる。

直観について研究をしたのは、オーストラリアにあるニューサウスウェールズ大学の心理学准教授ジョエル・ピアソンをリーダーとするグループである。
研究者らは、人間には「直観」というものが実在することを科学的に突き止めたのだ。

 

「直観」は、計測できる。

直観は、今、心理学の分野で人気のある研究テーマとなっている。
従来の直観の研究は、被験者にアンケートをして、その答えをデータとしている段階にとどまっていた。

これでは直観を測定したとは言えない。

オーストラリアの心理学准教授ピアソンは、直観を、脳や体からくる無意識の作用という定義づけをしたのだ。
普通の人々がイメージしている直観は、とくに理由とか根拠はないけれど、なぜか、その判断をするといいという感覚だろう。

人間に、こういう判断プロセスがあることは、昔から心理学者も認めるところであったが、客観的なデータによって「直観」の存在を証明することができなかったのだ。

ピアソンは、「直観」を客観的に証明するために、人間が決断するときに「直観」を使ったのかどうかを判定できる実験方法を考え出した。


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では、その実験方法とは、どのようなものなのだろうか。

パソコンのディスプレイの画面を半分にして、それぞれの画面に違うものを表示する。

片方は、モノトーンの像で、動く点で構成されている。
もう片方には、四角形を表示する。

その四角形は明るく光っている状態である。
片方で、モノトーンの像を構成する点が動いているわけだが、その点が右に動いたのか左に動いたのかを言ってもらうという実験方法だ。

ポイントは、片方の明るく光る四角形である。
その明るく光る四角形に、サブリミナル的な映像を被験者が意識上で認識できない形で映すのだ。

その映像とは、たとえば、かわいい赤ちゃんや子犬、銃、嫌いな人もいる蛇などである。

人間に、なんらかの感情を湧き起こさせる映像を、被験者が認識できないぐらいの早さで一瞬だけ流すのである。
被験者は、自分が赤ちゃんや銃などの映像を見ていることには気づいていない状態だ。

こういうサブリミナルな映像から受ける「感情」は、人間の潜在意識下で記憶されている。
この潜在意識下での記憶するメカニズムは「直観」と似た構造を持っている。

 

「直観」が活用できるようになる。

実験の結果は、よい印象を持つサブリミナルの映像を見せられた被験者のほうが、点が動いた方向を言い当てやすいという結果が出た。早く正確に答えられる確率が上がったのだ。
実験を続けるほど、被験者は、正解を早く正確に言い当てられる精度が上がってきた。
被験者は、自分の「直観」を、うまく使いこなせるようになってくるということだろう。
人間は、訓練すれば、論理を使って推論することについての能力は上がるが、直観を使う能力も上げることができるといえるだろう。
直観によって答えが導き出せる経験を積むことで、自分の直観を信頼できるようになってくると思われる。

直観は人間が決断を下すときに役立つようだ。
人間の深層心理に届く情報が価値のあるものなら役立つだろう。
「直観」を使っていく経験を積むことで、精度を上げていったり、脳を鍛えることで、直観を、より活用できるようになっていく可能性がある。

直観は、ただの勘みたいなもので、直観は分析できるようなものではないと思われるかもしれない。
しかし、直観を実際に活用しているのだろう例はあるのだ。
それは、瞬時に判断を下さなければならない場合があるときだ。
たとえば、スポーツ選手の中でも大活躍しているような人は、おそらく直観を使って、次々と適格な判断を下しているはずである。
直観を活用する能力が高いほど、すぐれたスポーツ選手と言えるのではないだろうか。


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