英国・マンチェスター大学の天体物理学者:アルバート・ザイルストラ教授が、
向こう100年以内に破局的噴火が起こる可能性が高いという基準を設け、
火山愛好家たちの協力のもと「世界で最も危険な火山ベスト10」を選定し、
『VOLCANO CAFE』というブログで発表した。

気になるベスト10とは、以下の通りである。

1位:硫黄島(東京都小笠原村)
2位:アポヤケ山(ニカラグア)
3位:フレグレイ平野(イタリア)
4位:阿蘇山(熊本県)
5位:トランスメキシコ火山帯(メキシコ)
6位:アグン山(インドネシア)
7位:カメルーン山(カメルーン)
8位:タール山(フィリピン)
9位:マヨン山(フィリピン)
10位:ケルート山(インドネシア)

なんと、日本の火山が2つも選ばれているではないか!

「ナゼ」「どのように」危険なのか?

気になるその辺りを探ってみよう。

 

■硫黄島が危険なワケ

ランキング1位に選ばれた硫黄島は、小笠原諸島の南端近くに位置し、
数千年前に海底火山の活動によって隆起して誕生した島であり、
その島の南西端には摺鉢山がそびえている。

気象庁の噴火警戒レベルは運用されていないのだが、
2012年以降「火口周辺警報」が継続中だ。

硫黄島は僅か4年間に1mというハイペースでマグマによる隆起が見られ、
1945年の第二次大戦中の米軍上陸当時と比較すると、なんと17mも隆起しているという。

破滅的な噴火は秒読み段階とされ、その“Xデイ”には日本列島や香港などが
高さ25mを越える大津波に飲み込まれる可能性があるという。

過去には、1458年のバヌアツのクワエ火山の噴火後、
ニュージーランドを高さ30mの津波に襲われた結果、ポリネシア文化崩壊につながったという事例もある。

明治時代から行っている噴火経過記録には、現在も尚、かなり頻繁に小規模な噴火が起きていると綴られている。

また、2013年、小笠原諸島において海底火山噴火により西之島新島が出現し、面積拡大継続中であり、
近年にも、M8.1の巨大地震が小笠原諸島西方沖で起きている。

東日本大震災の発生を予測・的中させた木村政昭琉球大学名誉教授は、
「2017年までにM8.5の巨大地震が小笠原諸島周辺で起きるだろう」と予言しており、
科学的根拠に基づいても、大地震や火山噴火が実際に起こる可能性はかなり高いと言わざるを得ない。


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■ナゼ阿蘇山が4位に?

ランキング4位の阿蘇山は、気象庁の警戒レベルが入山規制の3だったが、
近年噴火も落ち着いているということから、火山周辺規制のレベル2に引き下げられている。

過去、幾度となく噴火した阿蘇山だが、
『VOLCANO CAFE』の記事中では「日本の中では、現在もっともホットな火山」として紹介されている。

ザイルストラ教授らも言及していないが、
通常の噴火よりも恐ろしいのは、
地下のマグマが一気に地上に噴出する壊滅的な噴火である「カルデラ噴火」だろう。

30万年前~9万年前の間に4回、阿蘇山は大規模のカルデラ噴火を起こしている。

注目すべきは、「阿蘇4」と呼ばれる4回目の噴火で、
その威力は日本の歴史上、最大級のカルデラ噴火で、
火山灰が江戸にまで達し、火砕流が九州のほぼ全域を襲ったという。

NHKスペシャル「巨大災害」において、今後起こるであろう阿蘇山のカルデラ噴火のシミュレーションが行われ、
火砕流によって九州全域が壊滅し、大量の火山灰が日本列島全土に降り注ぎ堆積するだろう、
という悪夢のような結果が弾き出された。

カルデラ噴火のエキスパートである東大名誉教授:藤井敏嗣氏は、
NHKのサイト「そなえる防災」連載記事中、カルデラ噴火は平均6,000年間隔で起こっているのだが、
ここ近年は7,300年間も発生していないため、いつ起こっても不思議ではないと述べている。

更に「万が一、南九州で『阿蘇4』レベルの超巨大なカルデラ噴火が発生すれば、
日本中が壊滅状態になることは疑う余地も無い。
過去に、地震によって文明断絶した前例はないが、
7,300年前の鬼界カルデラの噴火の例を見ればわかるように、
火山噴火は文明断絶をもたらしかねない」
と述べている。

日本の危険な火山は、硫黄島と阿蘇山ばかりではない。

ロンドン大学:ビル・マグワイヤ名誉教授は、箱根山の温泉地帯で吹き出す火山性蒸気に、
危険な兆候が見られていると語る。

前述のNHKスペシャルのシミュレーションでは、原発の被害にまで踏み込むことはなかったのだが、
阿蘇山でカルデラ噴火が起きた場合、川内原発は一体どうなるのだろうか?

どんなに頑丈な原発だって、火砕流の前では無防備に等しく、
噴火も加われば日本存続の危機と言わざるを得ない。

藤井教授によると、日本におけるカルデラ噴火研究は一向に進んでいないらしいので、
火山学者たちの意識改革が急務であると考えられる。


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